都立高校入試の仕組み|推薦・一般・調査書点・ESAT-J

都立高校の推薦と一般はどう違いますか?

推薦に基づく選抜は、調査書と面接・作文等の検査を総合して選考し、学力検査は行いません。一般(学力検査に基づく選抜)は、学力検査の得点と調査書点を定められた比率で合計し、原則として英語のスピーキングテスト結果を加えた総合得点で選考します。

令和9年度「東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」(以下、実施要綱)第1-7-1は、一般推薦の選考を「調査書、個人面接(集団討論を実施する学校は集団討論を含む。)、小論文又は作文等の検査を総合した成績(以下「総合成績」という。)、入学願書による志望及び都立高校長が必要とする資料(自己PRカードを含む。)により行う」と定めています(出典: 東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・令和9年度・本文p.6)。

同条は、自己PRカードを点数化しないこと、個人面接に当たっては自己PRカードを面接資料として活用すること、一般推薦書の推薦理由欄にも十分配慮すること、総合成績が同点の場合は都立高校長が必要とする資料を用いて同順位が出ないように配慮することを続けて定めています。

第1-7-2の特別推薦の選考は、別表5-1に基づく総合成績により行い、各校が教育活動の実績や特色に基づく基準を定め、個人面接又は集団面接及び実技検査のほか、小論文又は作文等を組み合わせるとあります(本文p.6)。

第1-7-3の特別推薦(理数)の選考は、別表5-2に基づく総合成績により行い、個人面接、科学分野等の研究に関するレポートについての口頭試問及び小論文の検査を組み合わせ、選考資料として用いると定めています(本文p.6)。理数等特別推薦書の推薦理由欄にも十分配慮すること、同順位が出ないように配慮することも同条にあります。調査書における観点別学習状況の評価又は評定の扱いは一般推薦と同様に各校が定めます。

第2-10-1は、学力検査に基づく選考を「調査書、学力検査(面接、小論文又は作文及び実技検査を実施する都立高校にあってはそれらを含む。)及び点数化したスピーキングテスト結果を総合した成績(総合成績)、入学願書による志望及び都立高校長が必要とする資料により行う」と定めています(本文p.18)。面接実施校では自己PRカードを面接資料として活用し、点数化しないこともここに書かれています。

第2-10-2は、エンカレッジスクールとして指定された都立高校の選考を定めています。別表4(105ページ)に基づき、調査書、面接、小論文又は作文(実技検査を実施する都立高校にあってはこれらに加え、実技検査)の結果を総合した成績(総合成績)、入学願書による志望及び都立高校長が必要とする資料により行います(本文p.19)。自己PRカードは点数化せず、面接資料として活用します。調査書・面接・小論文又は作文(および実施する場合は実技検査)の結果は点数化し、それぞれの満点は各校が適切に定めます(本文p.19)。エンカレッジスクールでは学力検査を実施しません。

学校ごとの配点・比率・検査の有無は別表4の学校行に示されます。このサイトでは、制度の読み方を本ページに集め、各学校ページには自校の行の数字だけを載せます。文化・スポーツ等特別推薦と理数等特別推薦は出典の表題で区別し、学校ページの見出しもそれに合わせます。近い学校を束ねた比較ページでは、距離帯や学科系統などの機械的な選び方をページ冒頭に明示します。

推薦の調査書点はどう算出しますか?

実施要綱第1-7-1(2)は、全ての都立高校で、調査書における各教科の観点別学習状況の評価(全27観点)又は評定(9教科)のどちらか一方を調査書点として点数化すると定めています。ただし、エンカレッジスクールとして指定された都立高校は、観点別学習状況の評価を用います(本文p.6)。

観点別を用いる場合は、各校の特色に応じて特定の観点の配点を高くするなどして活用するとあります。評定を用いる場合、特定の教科の評定に比重をかけることは行わない、とも定められています。斜線(スラッシュ)のある記録の処理は各校が適切に定め、「A」と朱書された調査書で算出する際は受検者に不利にならないように扱う、と続きます。

別表4の冒頭は、推薦の調査書点の満点を「各教科の観点別学習状況の評価を点数化した数値又は評定の満点(45点)を換算したもの」とし、算出方法を次の2通りに分けています(出典: 令和9年度入学者選抜実施方法一覧・令和9年度・印刷p.105)。

観点別学習状況の評価を用いる場合: 各受検者の調査書点 = 各受検者の観点別学習状況の評価の得点 × 調査書点の満点 ÷ 観点別学習状況の評価の得点の満点。

評定を用いる場合: 各受検者の調査書点 = 各受検者の評定の得点 × 調査書点の満点 ÷ 評定の満点(45点)。

別表4はさらに、個人面接(集団討論を実施する学校は集団討論を含む。)、小論文又は作文、実技検査、その他学校が設定する検査の満点は各学校が適切に定めること、調査書点の満点については総合成績に占める調査書点の割合の上限を50%とし各学校が適切に定めることを記しています。

観点別の活用方法の一覧は、令和9年度推薦実施校における観点別学習状況の評価の活用方法一覧(令和9年度)に掲載されています。どの学校が評定か観点別かは、別表4の学校行とこの付表で確認します。

計算の手順を示すための例として、仮の評定合計を36、仮の調査書点の満点を450とします。36×450÷45=360点です。この仮の数字は本ページだけの共通例で、特定の学校の得点結果を示す用途には使いません。

一般の学力検査と調査書の比率はどう換算しますか?

実施要綱第2-10-1(2)は、学力検査の得点(傾斜配点を行う教科については傾斜配点を行った得点)と調査書点の合計を1000点満点とし、スピーキングテスト結果の点数化を20点満点、これらを加えた総合得点を1020点満点とすると定めています(本文p.18)。

学力検査の得点と調査書点の比率について、全日制は原則として7:3とします。ただし、芸術及び体育に関する学科は6:4とします。また、受検者ごとに7:3と10:0のそれぞれの比率に基づき学力検査の得点と調査書点の合計を算出した上で、どちらか高い方を当該受検者の選考に用いる学校については、別表4によるとあります。

第2-10-1(6)は、調査書中の各教科の学習の記録を点数化する際、学力検査を実施する教科は評定数値を1倍、実施しない教科は評定数値を2倍して調査書点を算出すると定めています。成績一覧表が提出されていない場合等の扱いや、「A」と朱書された調査書の扱い、エンカレッジスクールでは観点別を用いることも同項にあります(本文p.19)。

別表4の学力検査に基づく選抜の説明は、調査書点の満点を評定の満点の換算とし、評定の満点は学力検査の教科が5教科の場合は65点、3教科の場合は75点となると記しています。算出式は、各受検者の調査書点 = 各受検者の評定の得点(検査実施教科1倍・非実施教科2倍) × 調査書点の満点 ÷ 評定の満点、です。

要綱本文p.19の例示は、5教科・傾斜なし・比率7:3・面接200点・作文100点・実技200点の学校について、学力検査500点を700点に、調査書を300点に換算し、スピーキング20点を加えて総合得点1020点、さらに面接・作文・実技を加えて総合成績1520点とする流れを示しています。

計算の手順を示すための例です。仮の素点を国語62点、数学71点、英語68点、社会77点、理科72点とします。同じ仮の生徒の評定は、9教科合計36のうち、検査実施教科20、検査を行わない教科16とします。

素点合計は62+71+68+77+72=350点です。7:3では学力検査点は350÷500×700=490点、換算前の評定合計は20+16×2=52、調査書点は52÷65×300=240点、合計は730点です。

同じ仮の素点で10:0を計算すると、350÷500×1000=700点となり、調査書点は加えません。7:3と10:0の高い方を用いる学校では、この2つの合計を比べます。

ESAT-J(スピーキングテスト)はどう扱いますか?

実施要綱は、入学願書・調査書と並べて中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3)を「スピーキングテスト」と定義し、英語の学力検査を行う高校では原則として結果を選考に用いるとしています(本文p.12)。

点数化は、Aは20点、Bは16点、Cは12点、Dは8点、Eは4点、Fは0点です。不受験者については「仮のスピーキングテスト結果」を算出し、点数化の上で加点することで不利にならないよう取り扱う、ただし要綱が定める(ア)に該当しない者が受験しなかった場合は仮結果を算出せず加点しない、とあります(本文p.18)。

不受験者の定義には、都内公立中学校在籍者で措置申請承認書を提出した者、およびスピーキングテスト実施日時点で都内公立中学校に在籍していないため受験していない者等が含まれます。仮結果は、英語学力検査の得点により順位を決め、上下5名ずつ以上を集計範囲とし、その平均値からA〜Fを定める手順が本文p.18に書かれています。

スピーキングテスト結果加える点
A20点
B16点
C12点
D8点
E4点
F0点

都内特別支援学校及び中学校の特別支援学級に在籍している者のうち本人の希望により受験した者、都内公立中学校に在籍していない者のうち本人の希望により受験した者についても、A〜Fの表に従って点数化する旨が同項にあります。

自校作成問題と傾斜配点とは何ですか?

学力検査問題を自校で作成する高校は、実施要綱の別表(第一次募集・分割前期募集における学力検査問題を自校で作成する高校一覧)に示されます。対象校では、国語・数学・英語など指定の教科が共通問題と異なります。定時制の自校作成校については、検査開始・終了時刻の別規定も要綱にあります。

実施要綱は、各教科の満点を100点とし、特定の教科の配点に比重をかけることを「傾斜配点」と呼び、傾斜配点を行う都立高校は別表4によると定めています。学力検査の得点の定義では、傾斜配点を行う教科については傾斜配点を行った得点を用いる、と明記されています。

別表4の学校行には、傾斜の対象教科と倍率、自校作成の有無がセルで示されます。このサイトの学校ページは、そのセルから構造化した値だけを使い、表の生文字列から推測した値は使いません。

傾斜配点がある学校では、第一次募集・分割前期と、分割後期募集・第二次募集で倍率が異なる場合があります。学校ページでは募集区分ごとに分けて示します。

第二次募集はどのように実施されますか?

実施要綱第3は「学力検査に基づく選抜(第二次募集)」を定め、第一次募集の結果、入学手続者数が募集人員に達しない都立高校は、その相当人員について第二次募集を行う、としています。

全日制第二次募集においては、入学願書受付までに終了する都立高校の推薦に基づく選抜、連携型中高一貫教育に関する選抜、第一次募集・分割前期募集の合格者は出願できない、などの出願制限が第3の各節に書かれています。定時制第二次募集では、分割後期募集・全日制第二次募集の合格者も出願できない、とあります。

学力検査の教科について、全日制第二次募集は国語、数学及び外国語(英語)の3教科です。定時制第二次募集は、国語、数学、外国語(英語)、社会及び理科の5教科のうち、3教科を下らない範囲で各都立高校が定めます。

別表4は、分割後期募集・第二次募集の欄における網掛けが分割後期募集を実施する学校であること、分割後期募集実施校では分割前期で欠員が生じた場合その欠員分も含めて分割後期として実施することを説明しています。第三次募集に進む条件も要綱第3にあります。

学校ごとの欠員数や第二次募集の実施の有無は、募集人員の発表と手続の結果に依存します。本サイトの学校ページでは、別表4に構造化されていない欠員数を推測して書いていません。

志願変更、追検査、特別措置の日程も第3章および関連節に分かれています。本ページは制度の骨格に限り、個別日程の転記は要綱本文の該当ページを直接確認する前提にしています。

都立高校入試の仕組みでよくある質問は?

推薦と一般のいちばんの違いは何ですか?

推薦は学力検査を行わず調査書と面接・作文等で選考し、一般は学力検査と調査書(と原則としてスピーキングテスト)で選考します。

推薦の調査書点は評定と観点別のどちらですか?

実施要綱はどちらか一方と定め、学校ごとの採用は別表4と付表で示されます。評定の場合の分母は45点で、調査書点の総合成績に占める割合の上限は50%です。

一般の7:3とは何を指しますか?

学力検査点を700点満点、調査書点を300点満点に換算して合計する比率です。総合得点ではスピーキングテスト最大20点が加わり1020点満点になります。

ESAT-Jの点はどのように換算されますか?

A20点、B16点、C12点、D8点、E4点、F0点です。不受験者への仮結果の扱いも要綱本文p.18にあります。

傾斜配点とは何ですか?

特定教科の配点に比重をかけることで、別表4に記載のある学校だけが行います。傾斜後の得点が学力検査の得点として比率換算に入ります。

第二次募集は誰でも受けられますか?

第一次募集で欠員が出た学校が実施し、出願資格と日程は要綱第3に定めがあります。欠員数そのものは学校ページでは推測していません。

出典一覧

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